ありがたや国会国立図書館デジタルコレクション

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一番好きな食べ物は鮭とば、梅もじゃです。どうもこんにちは。

この度もじゃ部屋ブログがパワーアップするとのことで、引き続きブログを担当させて頂きます! 今後ともよろしくお願いいたします。

ありがたやありがたや

知ってるよ。みんなが近デジもとい近代デジタルライブラリーが統合された国デジこと国会国立図書館デジタルコレクションが好きだってこと。
私も好きです。ありがたや。

国デジって何ぞや?という方にご説明いたしますと、様々な歴史的資料等をインターネット上で公開しているデータベースです。艶が~る執筆時には大変お世話になりました。便利……圧倒的便利……

無料で気軽に利用できるのと、書籍化されていない資料なども閲覧できるのが大変助かります。また勉強や調べ物に使うだけでなく、史料というのは単純に読み物としても面白いものですよね!

当時の島原にときめく

ここで、島原にまつわる記述・絵などをちょっと紹介いたします!

京坂の揚屋及び天神茶屋にて太夫を始て迎ふに揚屋茶屋の輩に委ねて迎之もあり、或は名を聞傳へて其名を指て呼迎ふもあり、或は衆妓を迎へて其中より己が意に合へるを一夜の伽と定むるもあり。其衆妓を迎ふるをかると云也。借也。是は太夫と天神のみにて鹿子位及び非官許の遊女にはなきこと也。太夫天神ともに借て見んと望む客ある時は仲居女又は小婢等其樓の定紋付なる箱挑灯を提て妓院の戸邉に至り高聲を以て太夫さん方おかし、又天神を借るには女郎さん方御貸と云。其時未だ樓に往ず置屋に殘り居る妓も褂を着し粧を飾りて其樓に集る也。其時席上の敷居ぎはに盃臺に塗盃を置て其次に大衝立を置く。其衝立の陰より各妓一人づつ杯前に座す。時に當樓の仲居侍坐して某屋の某太夫さんと名を報じ且杯臺を進む。妓杯を採て客の顔を見て再び臺に置き杯臺を少しつき出す。又仲居進之如此すること三回にして退席也。蓋杯は進れども酒はつがず空盃のみ。又太夫天神ともに衆客の顔を此時一見するは差合と云て憚るべき客には非る哉否やを見る也。客も空盃を三囘勸める間に意に應ず妓を擇み直に呼止め或は衆妓去て後に再び名を以て迎ふもあり。江戸には此行更に無之。

引用 – 類聚近世風俗志 : 原名守貞漫稿. 下(第十九編 娼家上 / 八十九頁)

(意訳)京都・大坂の揚屋および天神茶屋にて太夫を初めて迎える時には、(誰を呼ぶか)揚屋茶屋の人に任せることもあり、あるいは伝え聞いた太夫の名前を指名して呼ぶこともあり、あるいは複数呼んでその中より気に入った遊女を一夜の相手と定めることもある。その遊女たちを迎えることを「かる」という。「借」である。
これは太夫と天神の場合のみであって、鹿子位および非官許の遊女にはないことである。太夫天神ともに借りてみようと望む客がある時は、揚屋茶屋の仲居女または女中などが、店の定紋が付いた箱提灯を提げて置屋の玄関へ行き、大声で「太夫さん方御貸」、また天神を借るには「女郎さん方御貸」と言う。その時まだ置屋に残っていた遊女も、打掛を着、化粧をしてその(お客さんのいる)店に集まるのだ。その時には席上の敷居際に、杯台と塗盃を置く。その次に大衝立を置く。その衝立の陰より各遊女が一人づつ杯前に座る。そして店の仲居が侍坐して「某屋の某太夫さん」と名を報じ、かつ杯台を遊女に勧める。遊女は杯を取って客の顔を見、再び台に置き杯台を少しつき出す。するとまた仲居が杯台を勧め、このようなことを三回繰り返し、遊女は退席する。おおよそ、杯は勧めるものの酒は注がず、空盃のみ。また太夫天神ともに衆客の顔をこの時一見するのは「差合」と言って、はばかるべき客(問題のある、太夫や天神を呼ぶにふさわしくない客?)ではないかを見るためである。客も空盃を三回勧める間に、気に入った遊女を選び、直に呼び止めるか、もしくは遊女たちが去った後に改めて指名して迎えることもある。江戸にはこの決まりは全くない。

高杉本編にも出てきた儀式ですね! 「貸しの式」であり、「假視の式」でもあるそうです。

都名所之内 嶋原出口光景(長谷川貞信) (∵)
京都名所之内 嶋原出口之柳(歌川広重)

そして上記ふたつは島原を描いた浮世絵ですね。
遊女が酔ったお客さんを見ておかしそうにしていたり、小さな子供を連れているお客さん(?)がいたり……
遊郭である以上複雑なことも多々あるのでしょうが、何だか賑やかでほのぼのしていて可愛らしく、愛おしい気持ちになってきます。

有名なものなのでご存知の方も多い史料かとは思いますが、改めて眺めてみるとやっぱり面白いですね!
今後も艶や執事・星降るなどの話題を更新していく中で、機会があればまた気軽に見られる史料などをおすすめしたいです!
ではでは~